新記録更新した橋! 耐荷重=35.9kgf!

 −−−2位の橋はこちら

全体の構造
立面図平面図側面図


この橋の強度試験と構造についてのコメント

私は,この橋の強度試験(通称:ブリッジコンテスト)を取り入れて今年で2年目である.

*初めて見る構造の部分として,筋交いAの側面付けの筋交いBがある

  このグループは,筋交いBは余った材料で最後に「ダメもと」で付けた
  しかし,これが強大な威力を発揮するとは,担当の私も想像つかなかった.
  「…そんなトコに横から付けても,筋交いAの真下にないから接着剤が
  はがれやすい取付方だよねぇ…付けたからって弱くなることはないかナ」

筋交いBの拡大図

*しかし計測をはじめると,まったくビクともしない!
  用意した荷重の缶ジュース(果汁で荷重…汗)72本ではまったく不足.
  10L入りの水タンク[10kg],金工用定盤[9kg]を急遽用意し,測定続行.
  缶飲料を載せ続け,35.9kgの時点でかなり大きめな「バキッ」という音が
  し,あと1本か2本加重するともう破損するだろうと思い,
  またこの橋が学年で一番になるであろうとも考え計測中止とした.

*接着で作るタイプなので曲げおよび圧縮で荷重を受けるのが基本で,
  立面図での2次元構造は筋交いAが有効である.
  また平面図では両側の2次元構造をつないで,倒壊しないような強度を
  持たせる必要がある.

*この橋では筋交いBがあまり有効ではないと当初は予想したが,筋交いの
  AとBの接着面が細長い三角形となっていて,図中abcおよびcdeの三角形
  の変形を強く拘束する.

*三角構造afdについてみると,adが圧縮→d点の接着強度に依存→cとeもこれを補強.
  上辺部材および下辺部材が曲がり変形する事に対して,adとceとbcのによって
  構成される構造が抵抗する.bcは圧縮であり接合強度は問題なし.
  adも上下辺水平スパン部材と同一平面にあり,圧縮荷重に対する接合強度は問題
  なく,また曲げモーメントに対してc点の接着接合面が細長い3角形であること
  によって拘束される度合いが強い.

*よって,曲げ荷重を受ける上下スパンの"エ"の字構造と,adfのトラス構造がcとeで補強
  される複合(?)トラス構造,また"エ"の字とトラスの変位を干渉させて抵抗する
  bcの部材,これらの複合で全体の曲げ荷重を受け持ち,高い強度を実現している
  と考えられる.

*また,破断直前まで全体の曲がり変形がほとんど目視されなかった.
  弱い作例の多くは,上下の水平スパンが大きく曲がり変形した後に
  破損するものが多い.


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